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コラム

シリーズインタビュー「来たる晴天の航海に向けて」第5回~ノルウェージャンクルーズライン

新型コロナウィルスの影響で先行きが見えない状況下、クルーズ再開に向けて努力を続ける業界のキーパーソンに話をお聞きするシリーズ企画。5回目はダイニングとエンターテインメントのクオリティで存在感を増すノルウェージャンクルーズライン(以下NCL)のアジア太平洋地区副社長&マネージングダイレクターのベン・エンジェル氏(写真左)とアジアセールス・ジェネラルマネージャーのニコラス・リム氏にオンラインでお話をお聞きしました。

無題

Q1. 再開に向けた状況を教えてください。
先日バルセロナとローマをホームポートとするヨーロッパのクルーズ再開日程を発表しました。これは元々2021年9月あたまに予定されていた地中海とギリシャ諸島をめぐるクルーズです。ノルウエージャン エピックが2021年9月5日から10月24日にかけて西地中海での7日の運航を予定しています。また、ノルウエージャンゲッタウェイが9月13日から10月25日にかけてローマ・チビタベッキアを出港し10日もしくは11日間のギリシャの島々をめぐるクルーズで運航再開します。

Q2 再開に向けてどのような取り組みが?
NCLでは、この1年間、最新の科学的知見や専門家のアドバイスを活用して、すでに導入済みのプロトコルをさらに発展させることで万全な体制を目指してきました。さらに親会社のノルウェージャンクルーズライン・ホールディングスは最近3つの柱で構成される保健と安全のプログラム「SailSAFE」をスタートさせました。1)ゲストと乗組員の安全のため、ワクチン接種必須と健康スクリーニング手順の強化、2)船内での安全のため、医療レベルの空気ろ過装置、衛生対策強化、医療資源の強化、責任あるフィジカルディスタンス、3)寄港地での安全のため、地上ツアーオペレーターと協力し、各目的地での対策強化を確認。今後の状況次第で日々変化することになる対応の最新情報はwww.ncl.com/sail-safeで公開されます。さらに、SailSAFEグローバルヘルス&ウェルネスカウンシル(以下、委員会)の立ち上げも発表されました。この委員会は、各分野の第一線で活躍する6人の専門家で構成されています。元米食品医薬品局(FDA)長官で、クルーズ業界の安全な運航再開を目的として設立されたヘルシー・セイル・パネルの共同議長でもあるスコット・ゴットリーブ博士を議長に迎えた同委員会はヘルシー・セイル・パネルを補完するもので、ノルウェージャンの事業全体における安全衛生プロトコルの実施、遵守、および継続的改善に重点を置いて協議を重ねていき、ゲストの安全、安心を守っていきます。

Q3 先々の予約は堅調と聞いています。特に需要が高い商品は? その要因は?
世界中でクルーズに対する需要が高まっています。1年以上ロックダウンといった制限された生活を送っていたため、人々は自由を求めて再び世界中を旅したいと考えています。イギリスのようなワクチンが行き渡った地域からの予約が増えています。しかしながら、2022年の香港発の旧正月に合わせたクルーズや桜の季節の日本を巡るクルーズが最も人気のスケジュールで、旅行規制があるにもかかわらずアジア市場での動きがみられます。日本では日本近海のクルーズでの重要が増えています。しかし、ハワイ、ヨーロッパ、アラスカといったインターナショナルなディスディネーションでの需要も最近見られます。

Q4 日本でもNCLの評価が高まっているように思います。国別売上でもNO.5と聞きました。何か奏功したのでしょうか?
他ブランドとの違いとして日本のトラベラーの間で評価されているのは「フリースタイルクルージング」ではないでしょうか。受賞歴を誇るエンターテイメント、最大21か所のダイニングオプション、お一人様向けの客室から船内のエクスクルーシブなエリア、ザ・ヘブンbyノルウエージャンの客室までと選択肢の多い客室を提供し、好きな時間帯に自由な席でドレスコードもなく自由でフレキシブルな乗船を楽しめるというクルーズコンセプトです。この数年の間、日本でこの独自のフリースタイルクルージングコンセプトのポジションを確立することに取り組んできました。私どもにとって大変重要な市場である日本での需要を増やすためマーケティング活動に投資していく予定です。日本でのかなりの需要が見られますので、市場が復活するのは時間の問題だと信じています。

Q5 食の高いクォリティ、豊富なバラエティーが強みと感じました。そのために取り組んでいることをお聞かせください。
私どもは常に「食」分野の強化、改善に取り組んでおり、今回の運航停止時期を利用してメニューの開発に力を入れてきました。フレンチのスペシャルティレストラン、ル ビストロのメニューとザ・ヘブンbyノルウェージャンのレストランなどのメニューの改良を手掛けいます。それに加え、私どもの新しいクラス、プロジェクトレオナルドの最新ニュースを近々発表する予定です。数々のイノベーションプランの中に、新たなアップグレードされた食の体験が予定されていますのでお楽しみに。

Q6 コロナ下で新造船、改装計画はどうなりますか?
私どもは一時的な運航停止している間に船の刷新も含めたビジネスに関わるすべての改革に取り組んできました。ノルウェージャンエピックは2020年後半のドライドックの間にザ・ヘブンbyノルウェージャンのすべてのスイート、ヘブンのパブリックエリアを含む大幅な改装を終えました。この改装はフランス、マルセイユで行われ、私どものクルーズ船の水準を高めることを目的としています。さらに2022年から2027年にかけて予定されているレオナルドクラスのクルーズ船の発表に向けて準備を進めているところです。予定されている全6隻の船は、乗客数3,300人、総トン数140,000。さらなるイノベーションにより、ゲストが船内でよりフレキシブルにお過ごしいただけるようなデザインとなります。また、ノルウェージャンスピリットは、ノルウェージャンエッジの一環として1億ドルをかけての改装プログラムにより2020年初旬に蘇りました。ノルウェージャンスピリットのマンダラスパはこれまでの2倍の大きさとなり、新たにサーマルスイートとリラクゼーションエリア、拡張されたパルスフィットネスセンターが完成。船上で2軒目となるオンダ バイ スカルペッタ(写真下)も数あるハイライトの一つです。ノルウェージャンスピリットは2021年後半にアジアで初航海、シンガポールからシドニー、バリからシンガポールを巡ります。norwegianspirit-ondabyscarpetta-restaurant-specialtydining (1)norwegianspirit-aerial-2 (1)

最後に日本マーケットへの期待値をお聞きするとともに日本のファンにメッセージをお願いします。
NCLのアジアで最大のマーケットである日本が回復、そして一層強化されること、そして日本からのリピーターと新しいゲストを船上に一刻も早く迎えられますことを心待ちにしています。

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